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 一般社団法人を設立するためには様々な書類が必要ですが、その代表的なものが定款です。定款について以下に詳しく解説します。

定 款

 一般社団法人を設立する場合には、社員になろうとする者が共同で定款を作成し、署名又は記名押印します。作成した定款は、主たる事務所を管轄する公証役場で、公証人の認証を受けなければなりません。定款の記載事項には、次の3つがあります。

1 必要的記載事項

 必ず記載する事項、この記載を書いた定款は無効です。

2 相対的記載事項

 義務ではないが、一般社団法人法により、定款にその定めがなければその効力を生じないと規定されている事項

3 任意的記載事項

 法的効力はありませんが、定款に記載できる事項です。

定款の絶対的記載事項
目 的 

 法律上、一般社団法人の事業目的については、非営利目的、営利目的を問わず、特に制限はありません。公序良俗や法律に違反しない限りにおいては、どのような事業でも目的として定款に記載することができます。

名 称

 名称には、「一般社団法人」という文言をいれます。

主たる事務所の所在地

 定款に記載する所在地は、最小行政区画(市町村)までの記載で足ります。最小行政区画までしか定めていない場合には、設立時社員による決議書で所在番地まで定めます。

 最小行政区画とは、例えば、東京都の場合には「東京都江戸川区」、千葉市の場合には、「千葉県千葉市」のようになります。

設立時社員の氏名または名称及び住所

 一般社団法人の設立に際しては、定款に設立時社員を特定することが必要になるため、設立時社員の氏名または名称及び住所の記載をします。

社員の資格の得喪に関する規定

 社員となるための資格、入退社の手続き、退社事由などの定めを定款に記載します。

公告の方法

 公告の方法には、「官報に掲載する方法」「時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法」「電子公告」「主たる事務所の公衆の見やすい場所に掲載する方法」などのように定めます。

事業年度

 一般社団法人は、各事業年度に係る計算書類、事業報告、その他付属明細書を作成しますが、これらは事業年度ごとに行うことになっているので、定款において、計算の基礎となる事業年度を記載します。

資産に関する事項

 資産構成やその管理について、定款に記載します。 

会計に関する事項

 会計処理の原則や、事業計画、予算、事業報告、決算について定款に定めます。

事業年度

 「当法人の事業年度は毎年○月○日から翌年○月○日までの年1期とする」というように記載します。

定款の相対的記載事項

 定款の相対的記載事項とは、定款の定めがなければ効力を生じない事項です。法律で規定されている相対的記載事項は、以下のとおりです。

■ 設立時役員等の選任の場合における議決権の個数に関する別段の定め

■ 経費の負担に関する定め

■ 任意退社に関する定め

■ 定款で定めた退社の事由

■ 社員総会の招集通知期間に関する定め

■ 議決権の数に関する別段の定め

■ 社員総会の定足数に関する別段の定め

■ 社員総会の決議要件に関する別段の定め

■ 社員総会以外の機関の設置に関する定め

■ 理事・監事の任期の短縮に関する定め

■ 理事の業務の執行に関する別段の定め

■ 代表理事の互選規定

■ 代表理事の理事会に対する職務の執行状況報告の時期・回数に関する定め

■ 理事会の招集手続きの期間の短縮に関する定め

■ 理事会の定足数または決議要件に関する別段の定め

■ 理事会議事録に署名または記名・押印する者を理事会に出席した代表理事とする定め

■ 理事会の決議の省略に関する定め

■ 理事等による責任の免除に関する定め

■ 外部役員等と責任限定契約を締結することができる旨の定め

■ 基金を引き受ける者の募集に関する定め

■ 清算人会を置く旨の定め

定款の任意的記載事項

 定款の任意的記載事項とは、記載がなくても定款の効力に影響はないが、記載できる事項です。任意的記載事項の例としては次のようなものがあります。

■ 社員総会の招集時期

■ 社員総会の議長

■ 役員等の員数

■ 理事、監事の報酬

■ 残余財産の帰属

など

 一般社団法人設立登記に必要な書類は次のとおりです。

定款 

 公証人の認証を受けた定款を添付書類として法務局に提出します。

設立時理事及び設立時監事の選任決議書 

 定款で設立時役員(理事、監事)を定めなかった場合には、設立者で設立時役員を選任します。その選任を行った旨の記載ある議事録を提出します。

主たる事務所の所在場所を決定した決議書

 定款で主たる事務所の所在地を最小行政区画までしか定めなかった場合には、設立者で細かい地番まで決定します。その決議を行った議事録を提出します。

設立時代表理事を選任したことを証する書面

 理事会を設置する一般社団法人で、定款で代表理事を選定しなかった場合には、理事の中から代表理事を選定します。その決議を行った議事録を提出します。定款で代表理事を定めている場合には不要です。

設立時役員(理事、監事、代表理事など)の就任承諾書 

 設立時の役員に選任された者が作成した「就任承諾書」です。理事会を設置する一般社団法人で、代表理事の選任を行った議事録に、その者が就任を承諾する旨の記載があり、かつ、その者が当該議事録に、記名押印(実印)を行っている場合には、代表理事の就任承諾書の提出を省略することができます。

印鑑証明書

 理事会を設置しない場合は、設立時理事全員の印鑑証明書が各1通ずつ必要になります。理事会を設置する場合は、設立時代表理事の印鑑証明書のみ1通必要です。

印鑑届出書 

 一般社団法人設立の登記申請書を提出する際には、同時に代表者の印鑑を届け出ます。法人の代表印は前もって作成しておいてください。

 

以上が、一般社団法人の設立登記に必要な書類です。

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