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介護事業に限らず、事業を行うに際して資金繰りはとても重要です。資金繰りの手段を考えておきましょう。
まずは、自分の手持ち資金がいくらなのか確認してください。手持ち資金でデイサービスを開業するための費用を全て支出できるのであれば、開業に際しての資金繰りを考える必要はありません。この場合の開業のための費用には当面の運転資金(4〜5か月分)を含みます。
資金繰りを考える際には、デイサービスの立ち上げにどんな資金がどれだけ必要になるのかについて計画を立てておくことが必要です。代表的なものは以下のようなものです。
■ 施設物件の取得費用
■ 施設物件の改修工事費用
■ 備品の調達費用
■ 人材や顧客を獲得するための費用
■ 当面の運転資金(4〜5か月分)
■ その他の費用
施設物件の取得費用
ここでは施設は賃貸物件を想定します。その場合、取得にかかる費用としては、敷金、礼金、保証金、不動産業者への仲介手数料、当面の賃料などがあります。
例をあげると、賃料1ヶ月10万円の物件では、
敷金10万円×2ヶ月分=20万円
礼金10万円×2ヶ月分=20万円
仲介手数料10万円×1か月分=10万円
当面の賃料10万円×3ヵ月分=30万円
合計80万円 というようになります。
当面の賃料は3ヶ月分程度は用意してください。介護保険事業の保険給付が支給されるのは原則として請求から2ヶ月後となります。開業当初は仕事があっても、2ヶ月間は収入がありません。そのためにも、当面の賃料として3ヶ月分程度は必要でしょう。
施設物件の改修工事費用
主にバリアフリーの工事が必要になります。玄関回りや廊下、浴室、トイレなどです。事業開始後に回収が必要になることも想定しておく必要があります。
どの程度の工事を行うかによって費用が変わってきますが、おおむね50万円〜80万円は必要です。
備品の調達費用
備品は、テレビ、洗濯機、冷蔵庫、車両、家具、パソコン、電話、FAX、福祉機器などが必要です。全ての備品を購入するか、もしくはリースを利用するという方法もあります。
特に利用者さんを送迎するための車両を購入すると、中古車でも100万円程度は必要になるでしょうか。車両をリースにしておけば初期費用を抑えることができます。
車両をリースすることを前提とすると、備品の費用としては50万円程度を用意しておけばよいと思います。
人材や顧客を獲得するための費用
人材(従業員)の募集は、様々な方法が考えられます。次のような方法です。
■ 職業安定所(ハローワーク)に求人を出す
■ 求人誌に従業員募集の広告を出す
■ 知人に紹介してもらう
■ 事業所のホームページに掲載する
■ 人材派遣会社から派遣してもらう
職業安定所や求人誌に募集をかければ、幅広い人材を集めることが可能です。しかし、介護ヘルパーなどは人物本位なので、信頼のできる人材が必要であることをよく見極める必要があります。
その点、知人からの紹介の場合には、紹介する側も紹介する人物を知っているケースが多いと思いますので、信頼できる人材を確保できる可能性が高いと思います。
また、費用の面から考えると、事務所のホームページをお持ちの場合、そこに掲載するのであれば費用はかかりませんし、職業安定所への求人広告は無料です。
顧客の獲得に関しても、様々な方法がありますが、代表的な方法は次のようなものでしょうか。
■ 地域の情報誌にデイサービス開業の広告を出す
■ 知人に紹介してもらう
■ 事業所のホームページで利用者さんを募集する
人材や顧客の獲得に必要な費用は、その方法によって大きく差がでると思いますが、有料の広告を利用するとして30万円程度は必要でしょう。
当面の運転資金(4〜5か月分)
介護保険事業の保険給付が支給されるのは、原則として請求から2ヶ月後となります。つまり開業当初は仕事があっても、2ヶ月間は収入がありません。
また、介護事業を行う事業者が増えてきていますので、競争は激化しています。開業当初から多くの利用者さんを獲得できることは難しいと思いますので、当面の運転資金を準備しておくべきです。期間としては4〜5ヶ月分の運転資金を用意しましょう。
運転資金としては、人件費、水道光熱費、食材費、ガソリン代、などです。当面の運転資金としては70万円〜100万円程度を考えておきましょう。
その他の費用
その他の費用としては、法人や会社の設立費用、損害賠償保険の保険料、税理士や社会保険労務士への報酬などを想定します。
株式会社を設立することを前提とすると、その他の費用として50万円程度必要です。
また、当事務所にデイサービスの介護保険事業指定申請をご依頼いただいた場合の費用はこちら(→費用報酬)をご覧ください。
通所介護開業のための費用合計
上記の費用をすべて合計すると330万円〜390万円程度が必要です。車両を購入する場合にはこれに加えて、100万円〜200万円が必要です。
いずれにしても大金です。これらの費用を自分で支出できない場合には、資金繰りを考える必要があります。
デイサービスの初期投資額が計算できたら、資金繰りの方法を考えます。大きく分けて資金繰りには4つの方法があります。
■ 公的な融資を受ける(国や都道府県等の融資)
■ 銀行等から融資を受ける
■ 補助金や助成金を受ける
■ 知人、友人からの借り入れ
もっと詳しく知りたい方のために、介護事業の専門サイトを開設していますのでそちらもご覧ください。
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